入管と外務省系難民事業本部に迫害を受けている難民一家へのカンパのお願い

以下、転送OK部分をあるメーリングリストから転載します。

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<入管と外務省系難民事業本部に迫害を受けている難民一家へのカンパのお願い>

                    ある難民一家を支える会 http://d.hatena.ne.jp/refs/

●入管職員による暴力と不当逮捕
 私たちは、1月7日に東京品川入管でイスラム教徒の難民家族と出会いました。「ジャパンタイムズ」(オリジナル英語 http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20110325f6.html 日本語 http://d.hatena.ne.jp/refs/20110421/1303409624 )やSYI(収容者友人有志一同)のブログ http://pinkydra.exblog.jp/13981797/ にもあるように、当日、入管職員は一家を侮辱し暴行をはたらきました。一家は平和的な話し合いを求めて入管を訪れ、決して暴力をふるったりはしていません。しかし、多くの入管職員は一家を取り囲み、押したり殴ったり、蹴ったりしました。さらに、一家の女性(お母さんと娘)も男性職員に触られ、押されました。その中で、職員はお母さんのブルカ(イスラム教のベール)を剥ぎ、顔を曝すという暴挙にも出ました。職員たちはお父さんのターバンも取り落とし、踏みつけました。このようなことがあっても、一家は暴力で反撃することはなく、言葉で抗議を行いました。
 ところが、入管職員は「公務執行妨害」でお父さんを逮捕しました。これがまったくのデタラメであることは、既にSYIのブログで報告した通りです。川口和子弁護士の介入ののち、検察はお父さんを不起訴処分としました。20日近くの勾留の後、お父さんは釈放されました。その後、私たちはSYIメンバー数名や他団体メンバー、個人などで一家への支援を続けています。

●妊娠検診の領収書を提出したら難民への公的援助が打ち切りに
 しかし、日本における一家への迫害は続いています。2009年8月に入国して以来、一家は財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部(RHQ)からの援助を、中断・再開を繰り返しつつも受けて生活してきました。難民事業本部(RHQ)は、外務省からの公的資金により難民申請者に対して経済的支援を行っています。ところが、2月になって一家は突然の通知を受けました。生活費・住居費・医療費を含む一切の援助を打ち切るというものです。それどころか、一家が2009年以来受けとっていた生活・住居・医療支援金全額を返金することを要求してきました。そうしなければ逮捕されることになるとまで言っています。
 なぜでしょうか? RHQは一家にただ一つの理由を示しました。一家がお母さんの妊娠検診を費目に含む医療機関領収書を提出したために、上部組織である外務省が決定したからだというのです。RHQはこのことは規則に違反すると言いはります。「ジャパンタイムズ」の記事にもあるように、一家の委任を受けて問い合わせた鈴木雅子弁護士にも、同じ理由(他にはなし)が説明されました。
 私たちは、この事態は許し難い人権侵害であると考えます。まず、外務省・RHQの「規則」について。難民申請者は妊娠が許されないということなのでしょうか。さらに、もし「規則」が適用されるにせよ、なぜ他のすべての支援を打ち切り、これまでの支援金返還を要求する必要があるのでしょう。外務省・RHQはその特定の医療機関領収書についての支払いを拒み、他の支援は継続することができるはずです。
 RHQは外務省の下部組織であり、公的資金によって運営されています。難民条約や様々な国際人権条約により、日本には難民申請者の人権を保障する責任があります。もしこのような悪意ある恣意的な決定がまかり通ってしまうとしたら、この一家に限らず難民申請者全体にとって悪しき前例となってしまいます。

●一家の窮乏
 一家は、母国などでの迫害を逃れて日本にやってきました。一家の望みは、ただ安全に暮らすこと、適切な医療を受けること、子どもたちに教育を受けさせることです。
 お母さんは妊娠していて、ヘルニアなど様々な健康問題に苦しんでいます。もう妊娠4ヶ月以上になりますが、いまだ分娩施設が決まっていません。15才の長女は足に深刻な病気があり、歩くことができませんが、現在治療を受けていません。11才の次女は在籍している小学校に通っていません。一家が難民として国際的な迫害を受けているので彼女は危険にさらされている。ということは彼女がいると他の生徒にとっての危険となる、と校長に言われたとのことです。3才の長男は貧血症です。1才数ヶ月の三女は、急性気管支炎、ヘルペス歯肉口内炎、脱水症を患っています。お父さんもヘルニアなどを抱えています。このような健康状態について、私たちは医療機関による診断書により確認しました。
 今や、彼らは極貧状態にあります。もうほとんどお金がありません。電気・ガス・水道は止められてしまう恐れがあります。栄養失調や住居の衛生問題により、一家の健康状態は日に日に悪化しています。

●外務省人道人権課とRHQに支援再開の要請を!
 一家は難民弁護士の支援や適切な医療を必要としていると私たちは考えます。子どもたちには教育を受ける権利があります。平和に生きる権利があるはずです。また、入国以来、一家が自分たちの権利のために精一杯たたかってきたということを私たちは知るに至りました。
 しかし、外務省・RHQの非人道的な決定により、一家は絶望状態に追い込まれています。この理由により、外務省とRHQへの社会的な要請を私たちは呼びかけます。手紙や電話で、決定を見直し、支援を再開することを要請することをお願いいたします。RHQは外務省人道人権課の管轄下にあります。その名に値する援助再開を求めていきましょう。

 〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1
 外務省総合外交政策局人権人道課
 03-3580-3311 内線3074

 〒106-0047 東京都港区南麻布5-1-27
 財団法人アジア福祉教育財団 難民事業本部(RHQ)
 TEL 03-3449-7011 FAX 03-3449-7016
 援助部門フリーダイヤル 0120-925-357


●自分たちの権利のためにたたかう一家に支援カンパをお願いします
 一方、ほとんど現金がない状態で、一家は餓死しようとしています。一家が公的支援獲得やビザ問題の解決に向けてのたたかいを続けていくための費用として、みなさまからのカンパをお願いいたします。憐憫というよりは、正義の理念にうったえます。一家は安定した収入を必要としているので、このようなカンパは公的な支援の代替には決してなりません。しかし、外務省・RHQの決定を覆すなり、他の公的援助を得るためには、一家はたたかい続けなければなりません。餓死してしまうと、たたかうこともできなくなります。もしそのような悲劇的な結末が前例となってしまうとしたら、正義や人権にとって何を意味するのでしょうか? 日本の入管はこれからも白昼堂々と宗教を侮辱し、性的なハラスメントを行うのでしょうか? RHQは恣意的な運用によってこれからも他の難民家族を苦しめていくのでしょうか? そのような社会を私たちは望みません。私たちは正義を望みます。どうか、下記までカンパをお願いいたします。

 振込先
 ゆうちょ銀行
 口座番号:10270-67335881
 口座名義:ナシル モハメド クァドリ

※他銀行からの振り込みの場合
 店名:ゼロニイハチ(028)
 預金種目:普通預金
 口座番号:6733588

※そのほか、ゆうちょ口座への 振り込み方法についての案内→
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/sokin/koza/kj_tk_sk_kz_index.html


連絡先
「ある難民一家を支える会」0107refugee@gmail.com